夢みる世界

「どんな世界を見てみたい?」

 

コロナで大学の授業がオンラインになり、

人と会う機会が減った。

そして、毎日同じような退屈な生活を送っていたからか

まるで、中二病まっただ中の高校生に戻ったのかのようなことを考えていた。

 

数年後、大学を卒業する。医者になる。

結婚する。子どもが生まれる。子育てをする。

そして死ぬ。

 

現代は資本主義で結局はお金で、人生の幸福度が決まるところがある。

だから医者になれば不幸な人生ってことは無いだろう。

少しお金に余裕があって、少し美人な人と結婚して、少し豪華な家に住んで、少しいい車に乗って、平均の人よりも少し幸せな人生を送れる可能性が少し高いのだろう。

 

今のまま行けばこれからの人生、大方こんな感じだろう。

世間一般的に見ると、十分に幸せな人生なんだろう。

だが、僕はこんな人生は退屈でつまらないと思う。

何よりこんな人生になるとわかってそれを容認することは、今の僕もそして未来に希望を求め夢見ていた高校生の僕も許さない。

 

過激で情熱的な映画のような人生を送りたい。

一度きりの人生で自分が主人公の映画なんだから、もっと 派手に生きたい。

みんなこんな感じのことを思ったことはあるだろう。

だけど気づいたときには、平凡で安定した変わり映えのないB級作品に成り下がっている。

 

ここではじめの、「どんな世界を見てみたい?」という問いに戻る。

過激で情熱的な映画のような人生とはいったい具体的には何をすればいいのか。

 

浪人時代よく考えていた世界はある。

地球は時速1700kmで自転している。

新幹線の最高時速は300kmだからおよそ6倍のとんでもないスピードで回っている。

太陽が東から登って西に沈むことは地上にいる私たちが日常生活で感じるの自転の一つだ。

自転はわずかだが重力にも影響している。自転によって生じる遠心力によってわずかに重力を打ち消している。遠心力は自転軸から遠くならばなるほど大きくなるため、北極や南極よりも赤道直下の方が約0.5%重力が弱いらしい。

だったら、もっと地球を回転させてみたらどうだろうか。

これを実現するには、とてつもない人脈と富と権力が必要になるが、ジェットエンジンを世界中のあらゆるところに設置し固定して一斉に自転の方向に噴射するのだ。

ちょうど野球ボールに、花火をくくりつけて回転させる様に、地球も回転して自転のスピードが上がって今よりももっと重力を打ち消すだろう。もし、重力が今の六分の一(月の重力と同じ)になったら、海や、川の水が浮いたりしている世界を見てみたいと思ったりもしていた。

 

自転関連では、もう一つやってみたいことがある。こっちの方が簡単かもしれないし。

自転軸は公転軸より約23.4度傾いているということを知っているだろうか。

一応、小学生か中学生で習うことになっているので知っている人もいるかもしれない。

では、なぜ自転軸は傾いているのだろうか。

一つの有力な説として、「ジャイアント・インパクト説」がある。

かいつまんで説明すると、数十億年前に地球ができ、それから数億年後に火星と地球が衝突して生命が誕生した。火星は地球と衝突する際斜めに当たったためその名残で、自転軸が傾いている、という説だ。

ここで注目したいのは以下の二点である。

・自転軸は元々は傾いていなかった。

・火星との衝突によって生命が誕生した。

 

僕はこの話を聞いたとき、地球と火星の衝突によって自転軸が傾むいたことには納得がいったが、衝突によって生命が誕生したという説明は納得できなかった。

生命の誕生に関しては、様々な説があるがどれも太陽や海やら無機物から奇跡的に生命が誕生したという似たような結論を難しい言葉を使ってあたかも科学的に説明しているがどれも推測の域にとどまる。そもそも無機物から生命が誕生しないと言うことはパスツールの実験によって科学的に証明されている。

そもそも近代から現在いおいて人類は科学を盲信し、科学が絶対正しいと思い込んでいる。確かに科学は大方正しいし、あらゆる現象を科学的に説明できているのかもしれない。しかし、世の中には科学的には説明できないことだってある。生命の誕生もその一つである。

 

僕は生命の誕生には神が関係していると思う。ここでいう神とは、三次元よりも高次元から干渉している力のことをいっている。だがそんなに難しく考えないで、いったんは一般的に思われているような全知全能のなんかすごい感じのやつと思ってもらっても良い。実際にはいろいろと制限はあると予想しているのだが。

この神というやつが生命を誕生させたのだと思う。

そしてこの生命がやがての人間になるのだから、人間は神によって作られたと言える。

そう神に作られた人間は完璧な存在だった。

しかし現実では、人間は殺人、強姦、強盗、誹謗中傷、自然破壊など自らの欲を満たすために何でもする強欲な生命だ。また、交通事故や病死といった悲しみが人間を取り巻いている。

神に作られた完璧なはずの人間が、現実では不完全で醜いといった矛盾が生じる。

これを説明するには、先ほど述べたジャイアント・インパクト説を思い出してほしい。

そこでは

・自転軸は元々は傾いていなかった。

・火星との衝突によって生命が誕生した。

僕は、ここから一つの仮説を考えた。

神が人間を設計したときは自転軸は傾いていなかった。すなわち、人間は自転軸が傾いていない環境で完璧な存在として機能するように設計されていたのだ。しかし、地球は火星との衝突によって自転軸が傾き、自転による加速度から向心力が生じた。この向心力は重力と同じように地球上のあらゆる場所で常に働いている力で、この向心力によって脳の中の水(脳髄液)が傾き、人間は不完全な存在となってしまったのだ。

だから僕は、自転軸の傾きをただせば、人間は完璧な存在に昇華できると考えている。

 

自転軸が傾くことを予想できていなかった、これが神の犯した最大の罪である。

 

ここまで読んだ読者諸君は、神ならばそれくらい後から修正できるのではないかと考えているかもしれない。神が全知全能ならば、それはもっともな考えだ。

神は全知全能に近いように考えられているかもしれないが、

神は三次元よりも高次元から干渉している力にすぎない、と僕は考えている。

次元とは軸の数であり、一次元は点と直線で表される一つの軸によって作られる世界で。二次元は縦と横の二つの軸によって表される平面の世界で、三次元は二次元に高さという軸が加わった三つの軸で表せる世界である。

三次元の世界から二次元の世界に干渉する際は、三次元の物であっても二次元の世界の法則に従う。二次元は三次元の影と考えればわかりやすいかもしれない。

例えば、鞄を二次元の世界に投影する(干渉する)と長方形の影ができる。

そこでは鞄の深さや、鞄の中身は二次元の世界には投影されない。このように、次元の異なる世界に干渉する際はその世界の次元に従う必要がある。

すなわち、神であったとしても私たちが生きている三次元の世界に干渉する際は、三次元の世界の規則に従う必要があると言うことだ。

三次元には時間の軸がなく、時間は一方通行に進んでいる点である。だから、時間軸が存在している高次元から干渉している力である神であっても、時間軸の存在しない三次元世界に干渉する際には、時間が点として存在している三次元の世界の規則に従う必要があり、過去に戻ってやり直すことはできない。だから、一度設計した人間を作り直すことができないと言うことだ。

 

以上が、神によって作られた人間が不完全である理由あり、神は全知全能ではなく高次元から干渉している力に過ぎないという僕の仮説である。